言葉の理解ができてくる3歳頃は、自我が発達し、社会性やコミュニケーション能力、理解力が成長していく大切な時期です。また、耳にした言葉に興味を持ち、とても影響を受ける重要な時期です。3歳の時期に使っていきたい声掛け、注意したい声掛けを紹介します。


・声掛け
声掛け次第で子どもは変わります。例えば、自分のことを認められていると感じると子どもは自信を持ちます。自分を認めてくれた先生が好きになり、好きな先生の話を聞きたくなります。そして信頼関係を築くことができるのです。とは言え、静かにしてほしい、言うことを聞いてほしい、なんてことが日常の3歳児の保育。「ダメ」「なんでできないの？」などつい使いたくなる言葉ですよね。しかし、どんなに命令的に声掛けしても聞いてくれることはありません。だから、声掛けに注意して信頼関係を築くことが必要です。


・声掛けには注意が必要
3歳児は、急激に語彙数が増える時期と言われています。そして、感情が豊かになり、人の気持ちが理解できるようになる時期です。それは、大人からの声かけに敏感に反応し、心が傷つくことがあるとも言えます。確かに、まだまだ未熟なため、言いたいことが伝えられず癇癪（かんしゃく）を起こすという赤ちゃんのような面もあります。なので、保育士は、成長過程では個人差があるので、決めつけた目線で見ず一人ひとりに柔軟な声掛けができることが大切です。

次に、声掛けのコツを3つ紹介します。

①提案する
【×】「静かにしなさい！」「お友だちがお話してるでしょ！」
【○】「お話するよ」「お話する人のおめめ（お顔）見てお話聞けるかな？」「〇〇ちゃんの姿勢、とってもかっこいいよ。まねっこできるかな？」
言葉は時に、子どもたちにとって強く聞こえてしまいます。なので、提案するように言い換えると、わかりやすく伝わります。


②気持ちに寄り添う
【×】「どうしてできないの？」「どうして泣いているの？」「喧嘩してだめでしょ！」
【○】「〇〇したかったんだね」「わからなかったんだね」「一緒に遊びたかったんだね」「〇〇くんの使ってるおもちゃ使いたかったんだね」
気持ちに寄り添い、代弁してあげる気持ちで寄り添いましょう。


③伝えるときは具体的に
【×】「早く片付けて！」「お帰りの準備して！」「早く食べなさい！」
【○】「10数える間に片付けようね」「時計の大きい針が12になったからお片付けするよ」「大きい口で一口食べてみようか」
具体的に伝えると理解しやすくなります。


声掛けの仕方を変えるだけで、子どもが迷わず行動できるようになります。制止する言葉で動かそうとするのではなく、心に響く伝え方で、声掛けしていきたいですね。

3歳児は、自我が発達し、社会性やコミュニケーション能力、理解力が成長していく大切な時期です。また、耳にした言葉に興味を持ち、とても影響を受ける重要な時期です。声掛けの仕方で困ったが解決することがたくさんあります。子どもと信頼関係を育てながら、一人ひとりを伸ばせる声掛けをしていきましょう。