「保育士になってよかった!」感動したエピソード
保育園には、入学式や運動会、発表会そして卒園式など様々な行事がありますね。 そのたびに成長していく子どもたちの姿に感動することは多いのではないでしょうか。 しかし、今のご時世コロナウイルスの影響で行事の規模を縮小するなどの配慮が必要になりました。 今回は筆者が体験した、コロナウイルスの影響にも負けない、子どもたちの「生きる力」を感じた卒園式の感動エピソードをご紹介します。
コロナウイルスの影響で自宅待機
当時私は、2020年度卒園の5歳児クラスの担任だったので、年明けから少しずつ卒園式の準備を進めていました。 しかし、2020年2月後半といえばコロナウイルスが急激に流行し始めた頃。 そのために本来であれば卒園児が全員で集まり「卒園の歌」や「お別れの歌」の練習をするのですが、 「出来る限りの登園自粛」を保護者にご協力をお願いし、密になることを避けていました。
空席の椅子たち、卒園式を執り行うべきか
登園自粛期間が始まると登園児は半数ほどになりましたが、その中でも卒園式の練習は進めていました。 しかし、園の思い出とお母さん・お父さんに感謝の思いを伝える「お別れの言葉」は1人一言ずつ役割があるので全員が揃わなければ文章になりません。 初めは、全員が揃わない卒園式練習に不安もありましたが、「今日は休みの○○ちゃんのところ代わりに言うよ!」「早くみんなに会いたいね。」と子どもたちからの、前向きな言葉に何度も励まされたことを今でも覚えています。 実際、卒園式を執り行うかはギリギリまで検討されました。 卒園式がなくなってしまえば子どもたちは、友だちや私たち先生に最後の挨拶もできないまま、小学校へ進級することになってしまいます。 最後に子どもたちの顔が見たい!そう思いながら、式ができることを願うのみでした。
規模縮小の卒園式、久しぶりの子どもたち
話し合いの結果、「保護者2名のみ参加可」「証書授与、卒園の歌、お別れの言葉のみを行う」という条件を設け、式を執り行うことになりました。 いよいよ卒園式当日。 コロナウイルスの影響が拡大してから登園自粛で卒園式の練習は空席だらけでしたが、卒園児全員で卒園礼拝を迎えることが出来ました。 「久しぶりだね!」「ドキドキするよ~」 スーツや袴などを着て嬉しそうに話す子どもたちの姿を見て私は、開始前から涙があふれてきました。 そして子どもたちの他愛のないやりとりが当たり前ではないのだと実感しました。 子どもたちは友だちとの再会を喜び、卒園式への緊張や不安など様々な思いを抱いていたと思います。 そして私も、楽しみの反面、不安もありました。 「今まで練習に参加できなかった子どもたちは、歌やお別れの言葉を覚えているだろうか?」 式で子どもたちが不安にならないように、開始前に流れを確認してみると… 「お家でも歌っていたから覚えているよ!」 「○○ちゃんは、僕の次だよね!」 私の不安とは裏腹に、互いに歌を口ずさんで確認する、子どもたちの頼もしい姿が見られました。 卒園式が始まると、息のピッタリの子どもたち! 堂々と歌う姿を見て、コロナウイルスに負けない強い「生きる力」を感じました。 この子たちならどんな困難があっても乗り越えていける希望に満ち溢れているのだ。と改めて実感しました。 おかげで、最後の担任挨拶は号泣してしまい言葉になりませんでしたが、子どもも保護者も保育者もみんなの心が温まるとても素敵な式となりました。
まとめ
こんなに子どもたちの生きる力を間近に感じることが出来て改めて「保育士になって良かった!」と思いました。 子どもたちは未来への希望で満ち溢れています。 これからも、未来ある子どもたちの成長の支えになっていきたいと思います。