食物アレルギーというと、乳・卵・小麦が真っ先に思い浮かぶでしょう。
その他にも肉や魚、甲殻類やナッツへのアレルギーを持つ子どもも多くいます。
私が関わったケースでは、バナナやキウイ、リンゴ、ゼラチンなどもありました。

アレルギーを起こす食物はとても多くあるのです。
保育園・幼稚園では基本的に保護者に聞き取りをし、家で食べていない食物は園で提供しない方が良いのかを保護者と相談します。
その場合、家では食べたことがないが、園で挑戦して食べてみるというのは絶対にＮＧです。少なくとも家で食べてから園で提供するようにしましょう。

アレルギーを持つ子どもの場合、多くは園で調理したアレルギー除去食を食べることになります。
しかし、その方法は園によって違います。
他の子どもと同じテーブルで除去食を食べさせるケースや、除去食の子だけでテーブルを作って食べるケースなどもあります。
また給食も完全除去ではなくて部分除去にしているという園もありますね。

以前、除去食を提供したにも関わらず、体調が悪くなってしまった子どもがいました。
なぜかというと、隣の子どものおかずを食べてしまっっていたのです。
すぐに食べることを中止させたのですが、その子はアナフィラキシーショックを起こし、全身に蕁麻疹が出て呼吸が苦しくなってしまいました。
このことから、アレルギーの子どもに除去食を食べさせる時には細心の注意が必要であることが分かります。
そんな危険を回避するためにも、提供の方法は事前に把握しておきましょう。

実際にアレルギー事故が起きた園では、職員間で、その日が除去食があることを共有できていませんでした。
そのために起こった事故ですが、子どもが園で不利益にさらされることなどは、あってはいけないことです。

その後、アレルギー除去食専用トレーを用意し、除去する食材のプレートと共に配膳をするようにシステムを変更しました。
また、給食室から除去食を持ち出すときと、保育室に入ったときの2回、2人以上の職員でダブルチェック。
さらに、給食室から除去食を持ち出した職員が除去食の子どもの担当となり、隔離されたテーブルで一緒に同じ除去食の給食を食べるという対策を取りました。
職員同士で情報を伝え合うこと、注意しあうこと、確認し合うことでアレルギー対応はより確実なものになりますね。

多くの園では、食物アレルギーによりアナフィラキシーが起こったときのマニュアルを完備しています。
しっかりと読み込み、対応できるようにしましょう。
エピペンなどの保管場所はもちろん、エピペンの使用期限もしっかりとチェックして置いてください。

蕁麻疹や痒みのようなケースの場合は、園での対応も可能です。
保護者に連絡して状況を伝えた後、幹部を冷やして痒みを軽減させたり、頭を高くして呼吸を楽にしてあげることもできます。
子どもの様子に異常がないか、数分おきにチェックするようにしましょう。

しかし、自分のみでの判断は大変危険です。
必ず、マニュアルに従って行動しましょう。

多種多様なアレルギーを抱えた子どもは多くなってきています。
その子どもたちが、安心しておいしく給食を食べられる環境を作ることも、保育士・幼稚園教諭の大事な仕事です。
アレルギー除去食に関しては、注意してし過ぎるということはありません。
よく気を付けて給食の時間を過ごしましょう。