意外な場所にも危険が!保育現場のヒヤリハット
保育では特に、子どもたちのケガに気を付けなければいけません。
多くの保育園ではヒヤリハットとして、どのような危険がどのような場所であったのか、その対策はどうすべきかなどマニュアル化したり、会議で話し合ったりして共有しているのではないでしょうか?
今回は意外な場所で子どもが危険な目にあってしまった、実際の保育現場のヒヤリハットを紹介します。
避難訓練で…
筆者が務めていた園では、避難訓練は裸足で避難することになっていました。
なぜなら、子どもに裸足で、外の砂を踏んででも避難しなくてはいけないと教える機会になっていたからです。
初夏の頃の避難訓練でしたが、年少さんの女の子が避難訓練の途中で泣き始めました。
保育士は避難訓練の緊張感に泣いてしまったのかと思い、その子を抱いて避難しました。
しかし後から気付いたのですが、裸足で避難していたその子は、通路の端にあった金属製の蓋を踏んでしまったのです。
日差しに照らされていたその鉄板はとても熱くなっており、踏んでしまった足の裏は火傷をしてしまいました。
幸いにも、火傷に気付いた先生がすぐに応急措置を行い大事には至りませんでした。
今回は避難訓練で裸足になったからこそ起きてしまった事例でしたが、日常生活においても例えば、転んだ拍子に出た手や顔を火傷していた可能性も考えられます。
このヒヤリハットを受け、園内の鉄板を全てプラスチック製品に変更しました。
棚の上のものを取ろうとして…
子どもは視野が狭く、自分の行動の先にどんなことが起きるのを何パターンも推測することは難しいですよね。
ある男の子が、棚の上に置かれた棒を見つけました。
その棒は紙を丸めて作った棒で、異年齢保育中に年上の子どもたちが作って置いていったものでした。
男の子はその棒で遊んでいたお兄ちゃんたちを見て憧れを持っていたのでしょう…。
その棒を取ろうと引っ張りました。
すると、レゴで作った大きな作品が棒と共に落ちてきました。
幸いにも、保育士が瞬時に受け止めたのでケガには繋がりませんでしたが、角も多く重いブロックが顔に当たったら大けがに繋がった可能性があります。
このヒヤリハットから、保育室の環境を整えるときは、子どもの目線までしゃがんで部屋中を見回してみることが決まりました。
また、棚の上に物を飾るときは何かの上に重ねないことや落ちやすい位置に置かないことも決まりました。
仕切りをまたいで…
0歳児クラスのコーナーを分けるために仕切りを使用していました。
0歳児さんがつかまり立ちをしても平気なくらい丈夫で、高さも大人の太ももくらいあります。
保育士はコーナーを行き来するときには、仕切りをまたぐことが日常となっていました。
なぜなら、両手がふさがっていることも多く、保育士はまたぐ方が楽だったからです。
しかし、給食のトレーを持って仕切りをまたいだ保育士が、仕切りに足を引っかけてしまって転倒するという事故が…。
幸い、給食は食べ終えたもので残りもなく、お皿もプラスチック製だったのでひどい被害はありませんでした。
しかし、給食がのこっていたら?熱い汁物があったら?と考えるととても危険です。
また、給食に限らず子どもを抱っこしていたときに、足を引っかけてしまえば子どもが大けがを負った可能性もあります。
このヒヤリハットが報告され、コーナーの仕切りは必ず手動で開閉することが決まり、持ち物がある場合は一時的に置くことができるようにコーナーの仕切り近くにはラックが設置されました。
まとめ
実際に経験したヒヤリハットを紹介してきました。
意外なところでケガが起こるのが保育園です。
大きなケガや事故の前にはいくつものヒヤリハットがあると言われています。それに気付くのも保育士の大事な仕事です。
自分のミスからヒヤリハット事例になってしまうこともあるでしょう。
自分のミスを事例として報告するのは、できればやりたくありませんよね。
しかし、同じミスを誰かがしないとも限りません。
そのとき大きな事故に繋がるかもしれません。
報告するときは、その保育士がなぜそんなことをしたのかと、人物を責めるのはやめましょう。ヒヤリハットは環境を改善するきっかけとして使うのがベストです。
ぜひ、園内でヒヤリハットを共有し、事故を起こさないようにしていきましょう。