子ども同士のトラブル発生!保育士がするべき対応とは?
集団生活である保育園では、子ども同士のトラブルがつきもの。
実習や保育アルバイトで、対応の仕方に困った経験はありませんか?
「怪我したら大変」「早く止めてあげなきゃ」とつい心配になってしまいますよね。
しかし、トラブルは保育士が適切な対応を心がけることで、子どもの社会性が育まれる大切な経験となっていきます。
保育士の対応は子どもの年齢や発達によって異なります。
トラブルが起こった際の、乳児・幼児ごとの対応のポイントをまとめてみたので、ぜひ活かしてみてくださいね。
乳児
乳児のトラブルの主な原因は、玩具や場所の取り合い等です。
思いを言葉で表現することが難しいために起こります。
乳児の場合は、経験を通して物事の秩序を学んでいく段階にあるため、相手への伝え方を、その都度保育士が知らせていくことが大切です。
基本的に、乳児は保育士が側について、玩具の使い方を知らせたり一緒に遊びに入ったりすることが多いと思います。
何かあった時に咄嗟に手が出てしまうことを想定し、子ども同士でトラブルが起こりそうになったら、すぐに側に行って対応できるようにしておきましょう。
対応のポイントは、子どもの気持ちを代弁し、言語化すること。
例えば、おもちゃの取り合いが起こったときにはまず「このおもちゃを使いたいんだね」と受け止めた後に、「『かして』と言うんだよ」と言葉を伝えます。
発語が難しい子どもには、ジェスチャーを使って相手に知らせる方法を伝えます。
代弁することは、子どもが自分の気持ちを知り、発語につなげる大切な役割となります。
何度も繰り返すことで覚えていくので、繰り返し丁寧に伝えていきましょう。
幼児
幼児になると、言葉で思いを表現することができるようになり、ルールの中で遊びを楽しむことができます。
その中で、ルールを守らなかったり思い通りにならなかったりと、さまざまな理由でトラブルが起こることがあります。
幼児のトラブルを通して子どもが経験できることは、ざっくりと3つあります。
①自分の思いを伝えること
②相手の気持ちを知ること
③解決の方法を学ぶこと
この3つです。
そのため、保育士が先回りして解決策を提案してしまうと、子どもが自分の力で考えたり子ども同士でやりとりをする経験を失ってしまいます。
4、5歳児頃であれば、初めは様子を見守りながら状況を把握してみましょう。
しばらく様子をみても、子ども同士では話が進まないと判断した場合は、保育士が援助することも必要です。
お互いの気持ちを言葉にして整理し、どうすればよいか解決策を子どもと一緒に考えるようにします。
自分たちで考えて解決できるようになるための援助です。
大切なポイントは、両者の気持ちを聞くこと。
一方的な主張は、自分の気持ちに折り合いをつける経験や相手の気持ちに気づく経験を失ってしまいます。
やりとりを通してさまざまな感情を経験し、子どもたちの成長を支えていきたいですね。
すぐに対応が必要なトラブル
即座に止めに入る必要がある場合は主に2つあります。
1つ目は相手に危害が加わりそうになった時。
なぜなら、怪我につながる可能性があるからです。
2つ目は、暴言が出た時。
なぜなら、言葉で相手を傷つけることはあってはならないこと。
言葉によって相手が傷つくことに気づけるよう伝え、暴言が出た理由を整理し、代わりの言葉を一緒に考えていきます。
かっとなり気持ちが高ぶっているときには、一度場所を変え、落ち着くまで見守ったり、保育士と1対1で対話をして子どもの気持ちを整理し、落ち着いた状態になってから話し合いに戻るようにしましょう。
まとめ
乳児・幼児いずれも、保育士が状況を把握していることがとても大切です。
誰が何をしているか、どんなやりとりをしているかを把握しておくことで、子どもの行動への理解が深まり、対応しやすくなります。
先輩保育士と連携し、子どもたちの状況を把握できるような環境づくりをしていきましょう。
また、トラブルは子どもにとってだけでなく、保育士にとっても子どもを理解するための大切な経験となります。
ひとつずつ丁寧に向き合い、子どもとの信頼関係を深めていきたいですね!