0歳児の保育で気を付けるべきこと
0歳児は発達に最も個人差がある年齢です。 生まれてきた赤ちゃんにとって、何もかもが新しい世界。 日々五感で様々な経験をしていきます。 身体の発達、言葉、食事、排泄、睡眠。 安心して過ごせる環境があることで、一つひとつできることが増えていきます。 1日の大半を過ごす保育所が、大きな役割を担うことは言うまでもありません。 0歳児には保育士の人手が多く必要であり、一人ひとりとのコミュニケーションが大切になります。 では、具体的にどう保育していけばよいのでしょうか。 0歳児の保育をする上で気をつける点をまとめていきたいと思います。
安心感を持って過ごせる環境を作る
この場合でいう環境とは、大きく分けて物的環境と人的環境があります。 ふたつの環境が整って初めて、子どもが安心して過ごせる環境となります。 一つ目の物的環境とは、主に保育室や園庭など子どもが過ごす場所を指し、衛星面や設備面での配慮が必要となります。 0歳児は物を知るために何でも口に運び、舐めることで覚えていきます。 そのため、汚れている玩具やほかの子どもが舐めたものを口にすることがないよう、清潔に保つことが大切です。 また、首が据わらず安定していない時期や、つかまり立ちや歩行を始める時期になると、転倒やケガが多くなります。 周囲に玩具が散乱している状態は避け、保育士がそばで見守り、子どもが安心して身体を動かせるような環境を作っていきたいですね。 二つ目の人的環境とは、保育士(担当保育士)等子どもを取り巻く大人を指します。 子どもに「大好きな先生がいつも一緒にいてくれる」という安心感があると、愛着が形成され信頼関係ができます。 信頼できる大人(保育士)の存在が、子どもの発達において非常に大切な役割を持っているのです。 子どもは大人の言動や表情を敏感に受け取ります。 保育士自身が穏やかであること、保育士同士が良好な関係であることも、子どもにはプラスの影響を与えてくれますよ。
一人ひとりと丁寧にコミュニケーションを取る
では、0歳児の子どもとどのように信頼関係を築いていけばよいでしょうか。 0歳児は言葉での意思表示ができないため、仕草や行動で表現したりします。 子どもによって違いがありますが、お腹がすいた時、おむつが濡れて不快感を感じた時、眠い時、不安感がある時に泣いて知らせてくれた、という経験のある方も多いのではないでしょうか。 誰でも初めから泣いている理由が分かるわけではなく、子どもとのやりとりの積み重ねによって分かるようになっていきます。子どもが発する喃語に対して相槌を打ったり、「きょうはいいお天気だね」と話しかけてみたり、「○○したい(したかった)んだね」と子どもの気持ちを汲み取って代弁してあげたりしてみましょう。 こうしたやりとりは、赤ちゃんにとって立派なコミュニケーションとなってくれ、「この先生は自分のことを分かってくれる」という精神的な安心感につながります。 また、スキンシップなど、肌と肌の触れ合いも子どもに安心感をもたらしてくれますよ。 こうした心身を通じた日常的な触れ合いが、言葉や仕草など「泣く」以外の表現の方法を体得していくための大切な要素となっていき、子どもの心身の発達や情緒の安定につながります。 また、保育士自身も子どもの言動の理由が分かると、一人ひとりに応じたかかわり方が分かるようになっていきます。
まとめ
乳児期、特に0歳児の保育において、特定の大人との相互的なかかわりあいが非常に大切であることがおわかりいただけましたでしょうか。 言葉での意思表示ができない0歳児のコミュニケーションは一見難しく感じるかもしれませんが、大切なのは子どもを理解しようとする気持ち。 子どもひとりひとりをよく観察し寄り添うことで、心が通じ合い、保育士としてのやりがいになることと思います。