子どもたちに歯磨きの大切さを教える方法
保育士が保護者の方からよく受ける相談の一つとして「歯磨きに手こずっています」という相談があります。
歯磨きが苦手な子どもは多く、虫歯にならないようにと頑張って歯磨きに誘っても、中々素直に応じてくれないと悩む保護者の方もいます。
園でも給食後の歯磨きを行なっているところもありますが、子どもたちにどのようにして歯磨きの大切さを伝えていくのが良いのでしょう。
今回は子どもに歯磨きの大切さを教える方法や、指導方法、歯磨きを行う際の注意点をお教えきていきます。
どうして歯磨きが大切?
歯磨きの大切さを教えるためには、どうして歯磨きが大切なのかを保育士側がしっかりと理解しておかなくてはいけません。
改めて歯磨きを行う理由や、目的を学んでおきましょう。
・丈夫な永久歯を作るため、乳歯の頃から虫歯対策が必要
園で歯磨きを行う子どもたちのほとんどが乳歯です。
6〜7歳ごろになると乳歯が抜け始め、永久歯が生えてきます。
乳歯はどうせ抜けるのだから、と少し手抜きしても大丈夫では?といった声もありますが、丈夫な永久歯を作るために、乳歯の頃からしっかり歯磨きを行う必要があるのです。
乳歯が抜ける時、乳歯の付け根は永久歯に吸収され自然に融けていくのですが、虫歯などで膿が溜まっていると、その下で準備している永久歯の成長を妨げることがあります。
乳歯が虫歯のまま抜けてしまうと永久歯も虫歯になりやすくなってしまうので、注意が必要です。
・正しい歯磨きの仕方を習慣化させることが目的
子どもの歯磨きは、習慣化させることが大きな目的の一つです。
勿論虫歯にならないよう歯磨きをすることが大切ですが、子ども側からしたら「なぜ歯磨きが必要なの?」「どうして虫歯になったら困るの?」とわからないことだらけです。
子どもの疑問にしっかりと答え、どうして歯磨きが必要なのか伝えた上で、正しい歯磨きの仕方を指導し、習慣化させましょう。
小さい頃から習慣化させることで、成長し仕上げ磨きを必要としなくなる年齢になっても、自ら歯磨きをしっかり行うことができます。
子どもに歯磨きの大切さを教える方法と指導法
歯磨きを嫌がって、無理矢理押さえつけて歯磨きをしていますという家庭も少なくありません。
園では、歯磨きや大切さを伝えるために、わかりやすい言葉と楽しめる空間作りが大切になってきます。
・絵本やパネルシアターを使って伝える
まずは子どもたちが歯磨きに興味が出るよう、絵本やパネルシアターなどを使って「どうやってするのか」ということを伝えましょう。
歯ブラシを使って何をされるのかわからず不安になってしまう子どもに向けて「こういうことをするよ」とわかりやすく教えることができます。歯磨きの必要性についてのお話は、その後伝えると良いでしょう。
・歌で歯磨きの楽しさを伝える
歯磨きは一緒に行う大人が一生懸命になるがあまり、真剣な顔になってしまうので、子どもたちからすると少し怖い印象があるかもしれません。
そのため、楽しい歌に乗せて歯磨きの時間が始まると、子どもたちもリラックスして歯磨きを行うことができます。
絵本やパネルシアターは子どもたちがお話に集中して学ぶことができる時間ですが、歌を歌いながらだと、子どもたちにその場で歯を磨く動作をしてもらったり、歯ブラシの持ち方を練習したり、実践的な練習を促すことができます。
園での歯磨きの指導の流れとしては「絵本やパネルシアターで歯磨きの大切さややり方を学び、歌を歌いながら実践する」という段階を踏んでの指導にしていくと良いでしょう。
園で歯磨きを行う際の注意点
歯磨きの大切さを伝え、実際に歯磨きを行う上で、注意しなくてはいけない点があります。
一歩間違えれば事故に繋がりかねない場面もあるので、しっかり理解しておきましょう。
・歯磨きをするときは「ふざけない」
子どもたちは自分で歯ブラシを持つと、少し嬉しい気分になり、集中力が切れてしまう場合もあります。
中には嬉しさから立ち上がって歯ブラシを持ったまま歩いてしまったり、ふざけてしまう子もいるかもしれません。
子どもたちに歯ブラシを渡す前に「歯ブラシを持つときは座っていること」「お友達とふざけないこと」を約束しましょう。
口に歯ブラシを加えたまま転倒して、歯ブラシが口腔内に刺さってしまう事故は毎年起こっています。事故防止のため、しっかり指導しましょう。
・嫌がっている場合は無理矢理行わない
園での歯ブラシの指導は、無理矢理行わないようにしましょう。
仕上げ磨きを嫌がる年齢は1〜3歳頃までで、ある程度成長すると嫌がらず歯磨きをさせてくれる子どもが多いです。
歯磨きの時間が嫌いにならないよう、嫌がった場合は無理に仕上げ磨きを行わず、水で口の中をゆすいで終わりしても良いのです。
園で指導するのと同時に「お家では歯磨きどうですか?」と保護者の方に聞いてみましょう。
家庭でも同じように嫌がっている場合は園での様子も伝え、家庭と一緒になって歯磨きを進めていけるようフォローすることが大事です。
まとめ
子どもの歯磨きに関してのお話をしてきました。
歯磨きの時間が苦手な子は多く、習慣化させたくても難しい面がありますよね。園では絵本やパネルシアターを使って、楽しくわかりやすい言葉で「どういうことをするのか」「どうして歯磨きは大切なのか」伝えていけるよう、題材を選んでみましょう。
歯磨き指導をする際は、無理矢理行わず怪我をしないよう、子どもたちに声をかけながら行なってくださいね。子どもたちの歯の健康を守るためにも、家庭と一緒に段階を踏みながら指導していきましょう!