気になる子(グレーゾーン)ってどんな子?子どもと保護者への関わり方
保育をしていく中で、いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれる子がいます。 この「グレーゾーン」とは、発達障がいという診断を受けるまでに至らないけれど、特性や傾向がある子どものことを指します。 しっかりした診断がつかないため、子どもとの関わり方や保護者との連携が難しい点があるのが現状です。 今回はグレーゾーンの子供と保護者への関わり方をお教えしていきます。
気になる子(グレーゾーン)ってどんな子?
グレーゾーンの子どもたちは、発達障がいの症状がいくつか確認されているけれど、診断基準をすべて満たしておらず、発達障がいと確定して診断をつけられない状態です。 園生活を送る上で、集団行動ができなかったり、癇癪を起こしやすかったりと「ちょっと気になるかも?」と感じることが多いといえます。 ・発達障がいとは? 発達障がいとは、「脳の機能の発達に偏りや遅れが生じることで、日常生活や社会生活に影響が出ている状態」のことです。 この発達障がいは「自閉症スペクトラム(ASD)」「注意欠如・多動症(ADHD)」「限局性学習症群(SLD)・学習障害(LD)」の3つに分類されています。 ・どうして診断がおりない? 発達障害の症状の現れ方は、環境やその日の体調によって変化します。 体調が悪い時は発達障がいの症状が重く現れ、体調が良い時は軽いなど、差が激しい時ほど発達障がいとして診断するのが難しくなってしまうのです。 そういった点から、受診した時の体調で症状が分かりづらくなってしまったり、医師の問診による影響も大きく、判断が分かれてしまう傾向にあります。
気になる子(グレーゾーン)の子どもとの関わり方
グレーゾーンの子どもは発達障がいと診断された子どもと同じように、接し方に気をつけなくてはいけません。 それぞれの特性に合わせた対応をすることで、子どもが落ち着いて行動することができたり、指示が通るようになります。 ・自己肯定感を高める グレーゾーンの子どもは不安を感じやすく、ストレスがかかりやすいと言われています。 周囲の子と同じようにできないことで差を感じたり、理解されない人に「努力が足りない」と注意されることも多いです。そのため、自分を責めたり、やる気や自信がなくなりがちな傾向にあります。 できないことを理解してもらえないことから生きづらさを感じ、うつ病や不安障がいなどの二次障がいが出てしまう人も少なくありません。 そのため、子どもができた事をしっかり具体的に褒めたり、成功体験を積み重ねることで、自己肯定感を高められような接し方をしていきましょう。 子どもの得意なことや、頑張れた事をたくさん褒めてあげて下さいね。 ・苦手なものは道具や環境を変えてみる じっとして長時間座るのが苦手な子や、目に入るもの全てが気になって集中力にかけてしまう子などは、落ち着いて過ごせる場所を保育室以外にも用意して環境を変えてみましょう。 安心できる場所がある、というだけで子どもの不安は少し取り除くことができます。 また、耳から情報を得るのが苦手な子は視覚的な情報で伝えたり、手先が不器用ですぐ諦めてしまいがちの子は、道具を使いやすいものにしたり作業工程を変えてみたりと工夫することが大切になってきます。 苦手なことも克服することができれば、自信に繋がりますよ。
気になる子(グレーゾーン)の子どもの保護者との関わり方
グレーゾーンの子どもを育てている保護者の方は「この関わり方で合っているのかな?」「今日は何も指示が通らなかったな…」などたくさんの悩みを抱えています。 そのため、保護者と保育士間でも情報を連携し、子どものために何ができるか、保護者のメンタルサポートもときには必要になってきます。 ・子どもの良いところをたくさん伝える グレーゾーンの子どもたちは、周囲の子と同じように行動できず差を感じることが多いです。 それは我が子を見ている保護者も同じで「うちの子だけ出来ていない…」というショックな体験を何度もしてきていることでしょう。保育者は、子どもの良いところを見つける天才です。 その日のちょっとしたことでも良いので「今日は〇〇くん、こうやってしてくれたんですよ」など良いところをたくさん伝えるよう心がけましょう。 ・適切な支援施設を紹介し、情報共有をする グレーゾーンということで発達障害の診断が降りず、公的な障害児施設を利用できないと頭を悩ませている保護者の方が多くいます。 診断がおりず、手帳が交付されないので施設利用を諦めている方もいますが、グレーゾーンの子でも放課後等デイサービスを利用できる施設もあります。 保護者の方が利用を望んでいる場合、そういった適切な支援施設を紹介したり、どのように過ごしているかの情報を共有しましょう。 ・保護者の不安な気持ちに寄り添う なによりも大事なのが「保護者の不安な気持ちに寄り添う」ことです。 発達障がいの診断がおりないのに、他のことは違うという点に不安や焦りを感じる保護者が大半です。 子どもが大きくなるにつれてその差も大きくなるので、このままで良いのか、将来どうなるかの不安も増して行きます。 子どもの園での様子を伝えると共に、家庭での様子を聞き、保護者の方の不安に寄り添えるような声かけをしていくことが大切ですよ。
まとめ
気になる子(グレーゾーン)に関してお話ししてきました。 周囲のこと同じように出来ないけれど、発達障がいとも言えない状態は、子どもにとっても保護者にとっても不安が大きいことでしょう。 少しでも子どもが快適に過ごしやすくなるよう、特性や傾向に合わせた関わり方を学び、良いところをたくさん見つけてあげてくださいね。 ------------------------------- 24年卒の保育学生必見! 保育の合同就職説明会 ------------------------------ 自分に合うのは…「幼稚園?保育園?」 それとも「認定こども園?」 1都3県の保育園・幼稚園・こども園が、 日本橋の会場へ大集合!! 【日付】2023年3月19日(日) 【時間】12:30~16:00(予定) 【会場】日本橋プラザ 詳細はこちらをクリック