園にある、玩具の役割とは?
幼稚園や保育園で、子どもたちは何をして遊ぶイメージがありますか?
保育施設に必ずと言っていいほど配置してあるのが「玩具」ではないでしょうか。
ままごとセットで友だちとのやりとりを楽しんだり、ブロックを組み合わせて自分のイメージしたものを作ったりと、子どもたちの遊びにとって玩具は欠かせないものですね。
今回はこの「玩具」の役割について紹介していきましょう。
なぜ玩具が必要なの?
遊ぶことを通して子どもたちは様々な能力を身につけていきます。
例えば、0歳児クラスの赤ちゃんが音の鳴るメリーを目で追うことは視覚の発達にいい影響を与えますし、心地よいメロディーは聴覚を刺激します。
このように月齢に合った玩具を設定し、刺激を受けたり自発的に遊んだりすることで子どもの成長・発達を促すことに繋がります。
では、玩具で遊ぶことによって身につく能力とはなにかを見ていきましょう。
想像力、集中力、考える力
積み木、ブロックの玩具は身近なものや好きな物を想像して何を作ろうかと考えます。
「かっこいい車を作りたいな」と想像力を働かせ、自分の中でのカッコいい車とはどのようなデザインなのかイメージを膨らませていきます。そして車を作るために遊びに集中します。
遊びの中で思うようにブロックが組み合わせられない、崩れてしまうなどの失敗をくり返して、イメージしたものを作るためにはどうしたらいいのかを考えることにも繋がります。
試行錯誤していく中で「想像力、集中力、考える力」を身につけることができます。
社会性、コミュニケーション能力
玩具には社会性やコミュニケーション能力を身につける役割もあります。
代表的なのが「ままごとあそび」です。
ままごと遊びは相手とのやりとりを通して社会性を学ぶことができるいい機会です。
お母さん役になりきりままごと小物で料理をしたり、ぬいぐるみを赤ちゃんに見立ててお世話をしたりと玩具があることでままごと遊びも発展し、よりイメージを膨らませて楽しむことができるでしょう。
その他にもスプーンや箸の玩具で遊ぶことで実際の食事のマナーを知るきっかけにもなり日常生活のルールを学ぶことにも繋がります。
友だちと誘い合って役を決めて与えられた役柄になりきって遊ぶことはコミュニケーション能力を育みます。
子どもは人の役になりきることで、「相手の立場になる」ことを知るきっかけになりますので、積極的に取り入れていくことが必要ですね。
運動能力、協調性
子どもは遊びを通して身体を動かすことで、運動能力も身についていきます。
例えばボール遊びです。投げる、蹴るはもちろんのこと、バウンドさせたり、友だちの投げたボールをキャッチしたりとボール一つで様々な動きを経験することができます。
ボールの扱いに慣れてきたら、サッカーやドッチボールなどのルールのある遊びを取り入れていくことでより動きが複雑化しますし、友だちと一緒に作戦を考えて協力し合ったりする場面も増えてきますので運動能力と共に協調性を考えるきっかけにもなりますね。
また、保育者が正しいボールの投げ方や蹴り方を子どもたちに知らせることで今後様々なスポーツを行っていくうえでの基礎となりますので丁寧に伝えていけるといいですね。
まとめ
玩具の役割を理解することで子どもたち1人ひとりの成長を促すことができます。
年齢に適した玩具で遊ぶことは子どもの発達を促すためにもとても重要になってきます。
そして何より大切なのが、保育者も一緒に遊びの楽しさを共有することです。
ブロックで車を作った子は完成したことに喜びを感じていますし、ままごとでお母さんになりきっている子は作った料理を食べてほしいでしょう。
そのような子どもたち1人ひとりの遊びを受け入れることで玩具を最大限に生かすことができるのではないでしょうか。
保育室の環境設定を考える場合には、ぜひ玩具の役割についても考えてみてくださいね。