保育園・幼稚園の園長先生には、誰でも目指すことができます。
しかし、その求められる資格などはそれぞれ異なるため、まずはそれを整理してお伝えしたいと思います。

・幼稚園の園長先生になる場合
学校教育法により定められた条件を満たす必要があります。 幼稚園教諭1種免許を保有し、5年以上教育に携わっている人。
また、免許を持っていない場合でも、10年以上教育に従事していれば可能と言われています。

・保育園の園長先生になる場合
公立・私立問わず、まずは保育士として10年以上の勤続が求められます。
そして、公立の場合は上記の条件に加えて昇進試験を受けなければなりません。

数に限りのある公立は、園長という席が空いていない場合があります。
私立の場合、家族経営の園も多いため、昇進試験を行うことは少なく、クラス担任を始めとして、リーダー、主任といった細かなスキルアップを踏んだ上で園長になることが多いようです。
また、血縁者に園長の座を譲ることもあるため、保育士・幼稚園教諭の免許を持っていなくても、園のオーナーとして園長業務に携わる人も多く存在しています。
しかし、園長先生は、トップとして園を引っ張っていく存在でなければならないため、最低限の保育知識や、スキルは有していた方が良いでしょう。

上記の条件を見ると、特別な資格が必要というわけではないため、園長先生になるのはとても簡単そうに見えます。しかし、園長先生に求められるのは経営力やリーダーシップだけではありません。
園の衛生・安全の管理に始まり、保育士への指導や、各クラスの保育環境、保育内容、子どもの把握。さらに職員の休暇やシフトの管理。勿論、保護者や子ども達への対応や、地域の人との交流などなど、園に関わる全てを網羅しなければいけません。
何故なら、園長先生によってその園の雰囲気や色が変わるからです。
また、中途半端に投げ出すことも許されませんし、自分の芯を貫き通す覚悟を持って、取り組まなくてはいけません。
園長先生が、利用者である子どもや保護者を始めとして、保育士達から信頼されなければ、その園は崩壊してしまいます。それほど園長先生という立場は重要なのです。

ただ「昇進したい」というだけで、園長先生というものは、なれるものではありません。
しかし、保育という仕事にやりがい・喜びを見出だし、保護者の助けになりたい、たくさんの子どもたちが健全に成長するためのお手伝いがしたいと、強い気持ちと覚悟を持ち、新しい保育士を育てることに熱意を捧げられる人はきっと良い園長先生になれると思います。

また、理想の保育のかたちがあるならば、それを現実に出来るのも園長の特権です。
『子どもたちをたくさん自然と関わらせたい』と考える園長の園は、外遊びや泥遊びなど自然を楽しむ保育を行い、
逆に『子どものうちから沢山学ばせたい』と考える園長の場合、園外から講師を呼んで、英会話をしたり、絵画を楽しんだりと、それぞれの特色を生かした保育を行うことができます。
そして、自分と同じ理想を持った保育士たちがイキイキと仕事をし、子どもたちと保護者が笑顔で園に通う姿を見られれば、その時感じる喜びは何物にも代えがたい物になるでしょう。