よくドラマで見るモンスターのような保護者って本当にいるの?
学校や保育施設等に対して自己中心的で理不尽な要求やクレームをつけてくる親のことを指す「モンスターペアレント」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
もちろん常識内での要求や要望は保育向上にも必要不可欠ですが、あまりにも自己中心的な要求には困ってしまいますね。
最近では、このモンスターペアレントに焦点を当てたドラマなどもありますが、実際に保育園の保護者の中にもいるのでしょうか。
実筆者が体験した話と合わせて紹介していきたいと思います。
実際に起きた事例
【昨夜に熱が38℃以上あったけれど、解熱剤を飲んで熱が下がったから預かってほしい】
共働きで預け先がないと、保育園に預けたい気持ちも分かります。
しかし、解熱剤を飲んで下がっても効果は一時的でまた高熱が出る可能性もありますし、子どもへの負担も大きいです。
現在は特に、コロナウイルス感染症の可能性もあるので、様々な家庭状況で保護者の方も大変だとは思いますが、預かることは難しいことを伝えて協力をお願いしました。
【うちの子はまだハサミを使ったことないから園でも持たせないでほしい】
その子の年齢は4歳で、危険だというものには触れさせないという方針の家庭でした。
保護者の方からとても大切にされていると感じますが、幼児期に様々な経験をすることも大切。
ハサミの正しい使い方や、ハサミを使って製作遊びをする楽しさを伝えたいと思っていました。
そこで、保護者の方に保育園ではどのようにハサミを使っているのかをしっかり説明しました。
その後も数回「危険はないのか」と聞かれましたが、保育者が近くでサポートしながら子どもが楽しく製作していることを何度も丁寧に知らせていたところ、園での活動を見守ってくれるようになりました。
対応するうえで大切なこと
上記のように保護者からの様々な要望が実際にあります。
全部を受け入れることはできませんが、少しでも歩み寄るためにはどうしたらいいのか、保護者に対応するうえで大切なことをまとめました。
・話を最後まで聞く
無茶な要求をしてくる保護者の中には、保育士とのコミュニケーションが不足していて園に不信感を抱いている可能性があります。そのような状況で、最後まで話も聞かずに答えを出そうとするのは、保護者との関係をより悪化させる原因にもなってしまいます。
話を聞くことにより気持ちが落ち着いてくるという場合もありますので、聞く姿勢は大切にしていきましょう。家庭環境は様々で、中には周りに頼る人がいなくて不安を抱いていることから攻撃的になってしまうというケースもあります。
様々な価値観があるのを受け止めて聞いたうえで、回答していけるといいですね。
ただし、すべて保護者の話を受け入れるのではなく、話を聞いたうえで園側の主張をしっかり説明していきましょう。
・1人で抱え込まない
自分が担任しているクラスの保護者からクレームが起こった時にどのように対応したらいいのかとても悩みますね。特に経験の浅い新人保育士はどのように答えていいか分からずに戸惑ってしまうのではないでしょうか。
このような時には1人で抱え込んではいけません。
「このような話をされたんですがどう対応したらいいですか?」
と先輩保育士や主任に必ず相談しましょう。1人で悩んでいても適切な問題解決になりませんし、何より大きな負担がかかってしまいます。
保育士同士で話し合いそのように対応するかを考えて、チームで解決していくことが重要です。
まとめ
「園のやり方が正しい」という考えを相手に押し付けてしまうといい関係を築くことは難しいでしょう。まずは、それぞれの家庭環境や考え方を尊重していくことが大切です。
思いを尊重し互いの信頼関係が築けてくると子どもにとってより良い環境を作るためにはどうしたらいいのかを一緒に考えていけるのではないでしょうか。
日頃から笑顔での挨拶や、丁寧な関わりを意識して保護者との良好な関係を築いていけるといいですね。