子どもたちの「友だち作り」に保育士はどこまで関わっているの?
保育園では同じ年齢の子が集まり、遊びや生活をしています。
友だちとの関わりが少ない子を見ると、保育士が友だちと遊ぶきっかけを作ってあげたほうがいいのではないかと考えてしまいますよね。
保育士の介入が必要な場合もあるとは思いますが、どこまで関わっていいのでしょうか。
配慮すべき点をまとめました。
社会性の発達から見た遊び
子どもたちは、日々の遊びを通して友だちとの関わりを深めていますね。
しかし、最初からすぐに友だちと交わり、一緒に遊ぶというわけではなく、社会性の発達段階によって遊びの内容が変わってきます。
子どもたちの主体性を大切にし、やりたいことを自由にできる環境を整えることが保育士の役割と言えるでしょう。
下記に社会性の発達からみた遊びの段階を紹介します。
■何もしていない行動(0歳)
周りに興味は示さずに、自分の身体に関わる遊びだけをする。
(身体を揺すったり、何かをぼーっと見ていたりする中で、様々な刺激を受けて吸収している段階)
■傍観遊び(2~3歳)
友だちの遊びや行動を見ている。見て真似することが増えてくる。
(一緒に遊ぶという行動は見られないが、他者に関心を持ち始めた段階)
■一人遊び(2~3歳)
周囲の遊びに無関心で自分の好きな遊びを楽しむ
(安心した環境の中で、自分ひとりで集中して遊び込む段階)
■並行遊び(2~3歳)
他の子のそばで同じような遊びを展開するが、互いに関わり合わない。
(互いに電車の玩具で遊んでいるが互いに関心は持たずそれぞれ遊んでいる)
■連合遊び(4~6歳)
他の子と一緒に玩具のやりとりをして遊ぶ。
(同じような遊びをしながら会話をしたり、自分の思いを伝えたりしながら楽しむ)
■協同遊び(5~6歳)
一つの目標にむかって協力したり、役割分担をしたりして遊ぶ。
(お店屋さんごっこをする時に店員役とチケット配り役を話し合い役割分担して楽しむ)
一人遊びの時間を大切にして自分の遊びが尊重されると、他の子の遊びにも手を出さなくなります。
年齢による目安はありますが、一番重要なのは一人ひとりの社会性がどこまで整っているのかをしっかり観察することが大切です。
今は一人遊びを充実させる時期なのか、友だちとの関わりを持てる段階なのかを見極めていくことで友だち作りも円滑に進むことでしょう。
保育士の関わり方
では、友達作りをサポートするために保育士ができることはなんでしょうか。
今回は、3つ紹介します。
■子ども主体的に遊べる環境を作る
一人遊びで好きなことに集中している子に、友だちとの関わりをもって欲しいからといってままごと遊びに無理やり誘っても遊びを楽しむことはできないでしょう。
子どもたちの主体性を大切にし、やりたいことを自由にできる環境を整えることが重要です。
■あと一歩を後押しする存在となる
毎日の遊びの中で少しずつ興味の幅が広がり、友だちと遊ぶ楽しさを知っていきます。
中には、「○○くんと遊びたいけど、声を掛けられない」と消極的な子もいるので、そのような時には保育者が一緒に声を掛けるなど、きっかけを作ることで一歩踏み出す手助けになります。
■友だちとのトラブルを回避するために…
「一緒に遊びたい」「おもちゃを貸してほしい」という思いから、友だちの持っている玩具を勝手に取ってしまい、ケンカに発展してしまうケースもありますよね。
そんなトラブルを回避するために、普段の保育でも、保育士が「貸して」「どうぞ」というやり取りを子どもたちとすることで、子どもたちも友だちとの関わり方を少しずつ覚えていくでしょう。
▼ケンカに発展してしまった時の対応はこちら
「子ども同士のトラブル発生!保育士がするべき対応とは?」
まとめ
社会性発達段階によって他者との関わりも増えて「友だち作り」のきっかけになることでしょう。
保育士が必要以上に干渉してしまうと、子どもの自発性を妨げてしまうことになってしまうため注意が必要です。
子どもたちが自分の意志を尊重して自由に遊べる環境を整えて遊びを注意深く見守っていけるといいですね。