そもそも「社会福祉法人」と「株式会社」とは一体どういうものなのか、改めて知っておきましょう。

・社会福祉法人とは？
保育、医療、介護などの社会福祉事業を行うために設立された公益法人です。
所轄は都道府県や政令指定都市、中核市となっています。

寄付金や補助金を資金としており、各種福祉施設や保育園、病院などの医療関係を運営しているところが多いです。
非営利を前提としているため、設立するには都道府県や市の認可が必要です。


・株式会社とは？
事業を興す際に投資家から必要な資金を集めて、受け取った資金に対する証書として株式をを発行する会社のことを指します。
近年では保育業界への参入が盛んになってきています。

社会福祉法人と株式会社のことを知った上で、保育運営にはどのような違いがあるのでしょうか。
実は、それぞれ運営目的や税金関係に違いがあります。

・営利団体か非営利団体か
2つの団体の大きな違いは「営利団体」が「非営利団体」かです。
前述した通り、社会福祉法人は社会福祉事業を行うことが目的のため「非営利団体」となっています。
株式会社は商行為を行うことを業とするため「営利団体」とされています。

・税制、補助金が違う
社会福祉法人は営利目的での事業ができない分、株式会社よりも税制や補助金の部分で優遇されています。
法人税、道府民県税、市町村民税、固定資産税、事業税が原則非課税です。また、施設整備や運営のための補助金や、自治体による補助金加算もあります。

一方、株式会社は法人税が所得の30%課税、道府民県税、市町村民税、固定資産税、事業税も課税対象です。
補助金もなく、自治体による補助金加算も対象外なところが多いです。

保育士として働く際に、社会福祉法人と株式会社にはそれぞれどのようなメリットデメリットがあるのか知っておきたいですよね。
自分に合う運営団体はどっちなのか考えてみましょう！

・社会福祉法人
社会福祉法人の保育園は、保育園の設置主体制限が撤廃される前から続いている運営団体です。
歴史が長い分、実績があるので安心して働くことができるのが最大のメリットです。
ベテラン保育士が多いのも特徴で、指導や教育体制が整っています。
地域に根差しした園が多いので転勤の心配も少ないです。

・株式会社
株式会社の園は比較的新しいところが多く、働きやすい仕組みを取り入れているのが印象的です。
ネット社会になった現代では、ITシステムを取り入れたり業務の効率化を図ることで残業が少なくなるというメリットもあります。
保育事業の歴史が浅い分、目新しい意見を共有し実行しやすいのも嬉しい点です。

社会福祉法人と株式会社の保育園についてお話ししてきました。
それぞれの違いや、メリットが分かったのではないでしょうか。
歴史が長いからこそ安心して保育ができる社会福祉法人と、歴史が浅いからこそ柔軟性があり新しい取り組みができる株式会社。
自分にはどっちが合っているのか考えてみてくださいね。