保育ドキュメンテーションとは「子どもの普段の活動の様子を写真や動画、音声やコメントにまとめる」などして記録しておくというものです。
子どもの興味関心や、成長過程などが視覚的に分かりやすくなるため、保育を「見える化」できる方法の一つとして現場でも取り入れられています。

・保育ドキュメンテーションの必要性
ドキュメンテーションの始まりは、イタリアの「子ども一人ひとりの感性や意志、個性を尊重しそれらを伸ばすこと」という教育方針が原点とされています。
子どもの成長過程や、どのようなことに興味があるのか、どういった考えで行動を起こしたかなど、後から振り返り、わかりやすく記録しておくことで今後の教育方針が立てやすくなります。

写真や動画、音声などで記録しておく保育ドキュメンテーションのメリットはどのような点があるのでしょうか。
保育の「見える化」がされて、分かりやすくなっている点が多く見受けられますよ。

・保育内容を客観的に見て振り返ることができる
活動の記録を写真や動画で残しておくと、その時には気づけなかったことに後から気づくことができ、振り返ることができます。
また、視覚的に振り返ることで状況を客観的に見ることができるので、今後の保育内容に反映しやすくなるでしょう。
「この遊びの時は子どもたちの反応が良かったな」「この子はこういった活動が苦手なのかな」といったように、子どもたちそれぞれの反応を振り返ることができるようになりますよ。

・保護者と共有しやすく、子どもへの理解が深まる
保育者が制作したドキュメンテーションを保護者と共有することで、子どもへの理解が深まります。
子どもの活動内容が分かりやすく伝わり、親子での会話も弾むことでしょう。
ドキュメンテーションを共有すると、保育内容が分かりやすくなるため、保護者も園の保育方針や理念を理解することができ信頼関係を築くことができます。

・子どもの成長を実感しやすくなる
保育ドキュメンテーションの1番分かりやすいメリットとしてあげられるのが「子どもの成長を実感しやすくなる」といった点です。
継続して記録されていることから「あの時できなかったことが出来るようになってる！」など、成長をわかりやすく実感することができます。
また、忘れた頃に思い出として簡単に振り返ることもできるので保護者にとっても嬉しい取り組みです。

・事務作業の効率化が可能になる
保育ドキュメンテーションにすることで、1日の保育内容がまとめやすくなり、事務作業が効率化され、他の業務に時間を使うことができるようになります。
近年ではICTシステムを導入することで、連絡帳やおたよりを転用可能にし、事務作業を短縮し保育者の負担を減らそうと取り組んでいる園も多いようです。

保育ドキュメンテーションについてお話ししてきました。以前は「記録」というと紙ベースで保育者が時間をかけて書き上げるイメージでした。
保育ドキュメンテーションを取り入れることで、子どもの成長を振り返ることができ、保育内容を客観的に見ることができるようになります。
ドキュメンテーションを保護者と共有することで、子どもへの理解も深まり、ICTシステムを導入すると事務作業の短縮も可能になってきます。
メリットがたくさんある保育ドキュメンテーションの内容を理解し、実践していけると良いですね。