「なんで?」「どうして?」子どものなぜなぜ期について知ろう
「自分でやりたい!」「できなくて悔しい」と自我の芽生えからの「イヤイヤ期」が終わったころにやってくるのが「なぜなぜ期」。
身の回りのさまざまなことに疑問を持ち「何で?」と質問攻めにしてくることもあることでしょう。
今回はなぜなぜ期の子どもの成長段階や子どもへの返答の仕方や関わり方について紹介します。
なぜなぜ期とは
なぜなぜ期とは、おおよそ2歳から5歳までの子どもが「なんで」と質問を繰り返す特徴的な時期のことを指します。
大人は「何で同じことばかり聞くの?」と困ってしまうこともあるかと思いますが、子どもの発達段階には重要な行動です。
なぜなぜ期には2段階あります。
生き物や身近な物を指して「これは?」と尋ねる「第一質問期」。
「何でご飯を食べるの?」
「お店で並ぶのはなんで?」
「友だちをたたいちゃいけないのは何で?」
と理由を知りたがる「第二質問期」です。
子どもの目線になってみると世の中は不思議なことばかりで、生活をしていれば当たり前に感じることも、少しずつ理解を深めていかねばなりません。
子どもが疑問に思ったタイミングに大人が丁寧に答えることで学び、思考力を育むことに繋がりますので子どもの知識や理解を深めるうえでも大切な時期と言えるでしょう。
関わり方のポイント
では、なぜなぜ期にはどのように関わっていけばいいのでしょうか。
・分かりやすい言葉で伝える
「なぜ、雨が降ってくるのか」という質問に対して説明しようとすると難しいですね。
内容が複雑だと子どもには伝わらないので、簡潔に分かりやすい言葉を使って伝えるようにしましょう。
「雲の中にある水の粒がくっついて大きくなるんだよ。それが重くなって落ちてくるよ」
分かりやすい言葉を選ぶことで、身の回りのことに興味を持つ機会も増えてきます。
言葉で伝えることが難しい時には、絵や写真を見せて話をするのもオススメです。
・一緒に考える
子どもの探求心を育むためにも質問に対して一緒に考えることも大切です。
「何で蜘蛛の巣はこの形なの?」と疑問に思った時に「何でだろうね?」と共感して考える姿勢を持ちましょう。
4、5歳児クラスになってくると図鑑で調べることで、より理解が深まり「知る」楽しさを感じることができることでしょう。
・質問を楽しむ
子どもが質問してきたときには目を合わせ、言葉に耳を傾けて質問に対して興味を示しましょう。
「面白いことに気づいたね!」「なるほど。気になるよね!」と声にだして喜びや驚きを表現することで子どもは自分の好奇心を肯定されます。
子どもの質問に対して楽しい雰囲気をつくり、学びの喜びを感じられるように見守ることが大切です。
なぜなぜ期の注意点
子どもの成長に関わる大切な時期ですが、注意が必要な点もあります。
・質問に向き合う
探求心を育むために必要だとは理解していても、同じ質問をくり返されると忙しいときには、落ち着いて返答できずに質問に向き合えないこともあります。
もちろん質問に答えたり共感したりすることも大切ですが、今すぐに対応することが難しい時には「今は〇〇していて質問に答えられないんだ、終わったら一緒に考えよう?」というように正直に返答できないことを知らせましょう。
・否定しない
質問に対して子どもの考えたことを否定しないでください。
例え実際の答えと異なる意見だったとしても、「〇〇くんはそう思ったんだね」と考えたことに対して受け入れる姿勢を見せるといいですね。
自分の考えを受け止められることで考える力が養われていくことでしょう。
・情報を与えすぎない
質問に対して詳しく学んでほしいからといって細かく伝える必要はありません。
細かい情報や関連事項など一度に伝えても理解しにくい可能性があります。
質問に直接関連することにだけ返答するようにしましょう。
情報を与えすぎても内容は理解しづらい点でも、自分自身が疑問に持ち何故かと考えるようになると意欲的に学ぶきっかけになります。
まとめ
なぜなぜ期は子どもとの学びを共有する時期です。子どもの質問に対して一緒に考え、探求することで学びの喜びを感じることができるでしょう。
間違いや試行錯誤も含めて、学びの過程です。
1人ひとりの気づきに寄り添い考える力を育んで興味や関心を広げていけるといいですね。