幼児期から音楽に触れることで、音感が身につきやすくなります。
選ばれた一部の人だけしか持っていないとされている能力である「絶対音感」も実は幼児期からの音楽教育で身につけやすくなると言われています。
楽器が演奏できなくても、楽譜が読めなくても、音楽に合わせて手を叩いたり、体を動かしたりすることが能力を育成することに繋がることでしょう。

音楽を取り入れると周りの音を注意深く聴くことが増えてきます。
楽器を鳴らすときにも、タイミングを考えたり音の強弱を意識したりする中で集中力が高まります。
特に、効果的なのがリトミックです。
音楽を聴いて音やリズムを感じて、自分なりに表現をするリトミックは、遊びながらも多くの力が育つと言われています。
単純に体を動かす動作だけでなく、音をしっかりと聴いて、どのような表現が適しているのかよく考えなくてはなりません。
子どもが考える表現に正解はありませんので、どのような表現でも認めていきましょう。
そうすることで、表現することを楽しいと感じて集中することが増えます。
園生活で話を聞く時や製作活動にじっくりと取り組む時にも集中力は必要なので高めいきたいですね。

子どもたちに「次は〇〇するよ」と話したけれど、伝わっていないという経験はありませんか？
一度にたくさんのことを伝えると覚えきれないということもありますが、まず大切なのが「聴き取る力」が鍛えられているかということです。
言語を理解するためには、音を聴き取ることができなくてはなりません。
リズムやメロディ、そして伴奏が複雑に合わさり構成されている音楽を聴くことで、耳が良くなり言語理解能力が高まってきます。
人と関わりながら生活する中で、言葉を理解して行動することはとても大切で、大人になってからも必要なスキルといえるでしょう。

音楽教育と運動能力はあまり関係がないように感じるかもしれませんが、実は深い結びつきがあります。
音楽を聴きリズム感が養われると右脳と左脳の連携がスムーズになり、運動能力に関わる神経経路が鍛えられることが分かっています。
また、たいこや鍵盤ハーモニカなどの様々な楽器で音楽を奏でる際には、音を耳で聞き、楽器を操るという動作を一度に行う必要があります。
この複雑な動きをくり返すことで、運動機能を担う小脳の発達が促されて運動能力の向上に繋がることでしょう。

私たちの生活の中に、音楽は欠かせない存在となっています。
「歌をうたうこと」「ダンスをすること」「楽器を奏でること」の他にも「音楽を楽しむ」という経験を積むことができます。

「友だちと一緒に体を動かして楽しかった！」
「いろんな楽器の音が聴けて面白かった」
「皆で歌うと気持ちがいい」
上記のように音楽を存分に楽しむことで自然と興味関心の幅が広がり何事にも積極的に取り組むことでしょう。