縦割り保育とは?そのねらいやメリットとは
少子化の影響も大きく、家庭で同年齢のこと触れ合う機会が少ない子も増えている現代では縦割り保育が注目されています。
年齢ごとにクラス分けされていることが多い中、異年齢の子どもを一緒に保育することにどのようなねらいやメリットがあるのでしょうか。
詳しく紹介していきます。
縦割り保育とは
保育園や幼稚園では年齢ごとにクラス分けして生活していますが、縦割り保育は異なる年齢の子どもたちでクラス分けされています。
縦割り保育の形式は「必ずこうする」というような決まりはなく園ごとに異なります。
常に異年齢間の保育を中心とする園もありますが、給食や活動の時間だけは縦割り保育になるというように時間帯によって区切られる場合もあります。
他にも、土曜日やお盆や年末年始等のお預かりする子どもの人数が少ない時には縦割りになることもありますね。
縦割り保育のねらい
縦割り保育のねらいは、「異なる年齢の子どもたちが一緒に過ごすなかで、コミュニケーションを図り社会性や協調性を育む」ことです。
自分より年上の子がしていることに憧れを持って真似をしたり、年下の子が困っていたら助けたりと同年代だけのクラスとはまた違う体験をすることで、思いやりの気持ちや自分からやってみようとする「自主性」を育むことに繋がります。
縦割り保育のメリット
・交流の幅が広がる
年齢ごとのクラス分けの場合、同年齢の友だちが多くなりますが、縦割り保育を取り入れることで歳の離れた子とも仲良くなれることもあります。
友だちの幅が広がることで、視野が広がり気の合う友だちも見つけやすくなるでしょう。
大人になると、年齢や立場が異なる人と関わって生きていくことが増えてきます。
子どもの頃から異年齢間で交流できる場を設定していくことで、社会に出てからの人と接する力を養うことができますね。
・成長の差が目立ちにくい
年齢ごとのクラス分けの場合、4月生まれと3月生まれの子どもの発達段階に差が大きく、成長の差にコンプレックスを抱くこともあります。
しかし、縦割り保育の場合には年齢も発達状況もそれぞれ異なるため、1人ひとりの成長の差が目立ちにくい特徴があります。
3月生まれの子でも、学年が下の子たちにとってはお兄さんお姉さんです。
下の学年の子たちと一緒に過ごすことで、年上としての意識が芽生えて意欲的になることもあるでしょう。
同年齢間のクラスで「私は足が遅いから走りたくない…」と劣等感を抱くことがあっても縦割りの場合には年齢の幅が広いので気にせずに挑戦することもできますね。
・お互いの姿に刺激を受ける
クラス内に様々な年齢の子がいる場合、自然に年上の子が年下の子の面倒をみようとする姿が増えてきます。
筆者が勤める園では基本的に年齢ごとのクラスですが、土曜保育の時には縦割り保育になります。
普段から土曜保育を利用している年長組のAくん。
クラスでは周りの友だちに声をかけられて動くことが多いですが、土曜保育になると年少組
の子が困っているとき声をかけたり、片付けを手伝ったりと普段の姿とはまた違う一面を見せています。
また、年下の子も自分よりもお兄さん、お姉さんたちがしていることに憧れを持ち、園庭でリレーに参加したり、室内ではハサミを使った細かい作業にチャレンジしたりといろいろなことに興味関心が持てることでしょう。
お互いの姿に刺激を受けて経験できることが増えるのは大きなメリットですね。
まとめ
縦割り保育は、年齢の異なる子どもたちがそれぞれ思いやりを持ってお互いに成長し合える環境です。
一人っ子で歳が近い子との関わりが持てない子でも、異年齢間の関わりを経験出来ることが大きなメリットです。
「年上だから譲るのが当然」「まだ小さいから無理」というレッテルを張らずに、1人ひとりが伸び伸びと過ごせるような環境を整えていきましょう。