不適切保育ってなんだろう?
近年、ニュースでよく見聞きするようになった「不適切保育」は、現代の保育に関する重大な問題とも言えます。
今回はこの「不適切保育」とは改めてどういった保育のことなのか、起こってしまう原因や対策をわかりやすくお教えしていきます。
不適切保育とは?
不適切保育とは「行き過ぎた指導が原因で子どもを身心的、精神的に傷つける恐れのある保育」のことを指します。
例えとしては、
・乱暴な言葉を使う
・子どもに不必要なほどの罰を与える
・閉じ込めや置き去り
・意味もなく大きな声で怒鳴る
・蹴る、叩く など
行き過ぎた指導を行うことが問題視されています。
不適切保育が起こる原因は?
残念ながら不適切保育について、近年ではよくニュースで取り沙汰されることが増えてきました。
なぜ不適切保育が起こるのか、原因は以下のようなものが考えられます。
・ストレス
保育士側が大きなストレスを抱えており、気持ちに余裕がなくなり子どもにあたってしまうというのも原因の一つです。
子どもの命を預かる仕事なので責任も重く、子どもの指導や保護者対応、保育士同士の人間関係に悩んでいる人は多いといえます。
・保育士不足からの過重労働
園によっては、保育士不足のため子どもへの指導も十分に行うことができず、保育士1人の仕事量も多い傾向にあります。
休む暇もなく日々の保育をこなすのに精一杯になってしまうと、子どもとゆっくり接することができなくなってしまうのかもしれません。
・園の行き過ぎた指導方針
園全体が不適切保育を容認してしまっている場合もあります。
先輩保育士の対応をみて従わざるを得なかったり「この園ではこれくらいの指導が当たり前」と考える管理職がいると同調して不適切保育を行なってしまう場合もあります。
・保育士のスキル不足
保育士のスキルが不足しているため、子どもとうまく接することができず、適切な指導ができていないということも考えられます。
子どもがしてしまったことをただ怒鳴るのではなく、どうしてそうなったのか、子どもの気持ちに寄り添いながら指導していかなくてはいけません。
不適切保育を無くすためにできることは?
不適切保育はあってはならないもので、保育士個人としてだけでなく園全体で改善していかなくてはいけない問題です。
不適切保育を無くすためには、以下のような対策が必要となってきます。
・心の余裕を持って子どもと接する
保育士側にストレスが溜まっていたり、心に余裕がないとイライラして子どもに当たってしまう場合は、しっかりと自分自身がリフレッシュできる方法を見出しましょう。
心の余裕ができると、柔軟な対応ができるようになり質の良い保育につながります。
・不適切保育に賛同しない
先輩や園全体が不適切保育を容認している場合は、強い気持ちを持って「賛同しない」ことが大切です。
新人の時は疑問に思っていても反対するのが難しいですよね。ですが自分の保育には取り入れないことを意識して、自分なりの適切だと思う保育を行うことが大切です。
・自分の保育を見つめ直す
自分の決めた保育内容や保育観を改めて見つめ直しましょう。
自分の今のスキルに不足している部分はないか、感情的になってしまっているところはないか、今一度立ち止まって自分の保育を客観視してみると不適切な面が浮かび上がるはずです。
・保育士不足を指摘、改善を求める
保育士不足による余裕のなさは自分1人では解決できません。
園の管理職に保育士不足で困っている点を詳しく伝え、改善を求める声を上げることも不適切保育を無くす大きな一歩です。
・子どもに完璧を求めすぎない
子どもに完璧を求めすぎるがあまり、厳しい指導をしてしまうこともあるかもしれません。
子どもたちはこれからまだまだ成長していきます。発達段階の途中の子どもたちに完璧を求め過ぎず、一人一人の成長に見合った指導ができるようにしましょう。
・外部機関に連絡し、転職を考える
不適切保育が改善しない場合や、園側が黙認していて指摘しても改善が見られない場合は外部機関に通報する勇気も必要です。
また、不適切保育を行う園から離れて転職も視野に入れましょう。園の雰囲気にのまれ、自身も不適切保育が普通となってしまう前に、離れることが大切です。
まとめ
不適切保育についてお話ししてきました。
子どもたちに大きな傷が残る不適切保育は、あってはならないことです。原因は様々ですが、不適切保育が起きないよう対策できる点はたくさんあります。
健やかな成長を見守るためにも、自身の保育を見直したりできる対策をしていけたら良いですね。