切り替えが難しい子に対する言葉かけや適切な支援とは?
保育園や幼稚園での生活は、生活習慣を身に付ける場であり一日のスケジュールが決まっています。
集団生活ではどんなに集中して遊んでいたとしても、一度遊びを終わらせて片付けなくてはなりません。
中には、もっと遊びたいと次の活動を行うことを嫌がり、泣いたり、怒ったりする子もいるので「どのように声をかけたらいいのだろうか」と対応に困ってしまうこともあるのではないでしょうか。
今回は、場面の切り替えが難しい子に対しての関わり方を紹介しましょう。
遊びを受け止める
保育者の声かけにも気付かないくらい遊びに集中しているときに、突然終わりを告げられることで「片付けしたくない!」「もっと遊びたい」と次の活動に進むことに拒否反応を抱いてしまうこともあります。
その中で片付けを強要してしまうと「活動の切り替えは嫌なこと」というイメージがついてしまうことがあるので注意が必要です。
製作途中のものがあれば「細かい所まで丁寧に作ったね」と工夫した点に共感したり、鬼ごっこで体を動かしたりしていた時には「鬼に捕まらないで逃げ切れたね!明日もまたやろう!」と声をかけたりして今までの遊びを受け止めましょう。
楽しかったこと、頑張ったことに共感してもらうことで満足して気持ちよく次の活動に進むことができる場合もありますよ。
切り替えの時間を前もって知らせる
活動の切り替えに時間がかかる場合には、事前に声をかけることも効果的です。
しかし、言葉だけでは聞き流してしまい結局時間になっても「〇〇したくない!」と戸惑うこともありますね。
その際には、以下の3つを試してみてください。
・○回やったら終わり
園庭で遊んでいる時に滑り台が楽しくて「もう一回やりたい!」という気持ちがおさまらずお部屋に入るのが難しいことも。
その時には、子どもに「あと何回にする?」と聞いて回数を決めるのもオススメです。
終了回数まで一緒に数えてカウントダウンを加えることで切り替えがしやすくなるでしょう。
・時計の針が○になったら
数字が分かるようになってくる4、5歳児向けの伝え方になりますが、終わりの時間を告げるための時計を用意し実際に終了時刻に針を動かして子どもたちに見せましょう。
「長い針が一番上の12になったらお片付けするよ」と伝えながら時計を見せることで時計を意識して遊ぶ姿も見られるようになってきます。
・タイマーを鳴らす
上記の時計の針だけでは難しい場合には音で伝えるのもいいでしょう。
遊び始める前に「この音になったら片付けするよ」とタイマーの音を聴かせることで音に反応して活動の区切りが分かりやすくなります。
活動の流れを具体的に知らせる
片付けの時間だと分かっていても、「次は何をするのだろう」「わからないからやりたくない」と見通しが持てないことに不安を抱き切り替えが難しい場合もあります。
対処法として次の活動を具体的に伝えるようにしましょう。
「このおもちゃを棚に片付けてトイレに行ったら皆でお外に行って遊びましょう」と次に何をするのかをその都度知らせて期待が持てるような声かけを工夫するといいですね。
また、片付けをする際にも「椅子を運ぶのお願いしていいかな?」と何を片付ければ良いのかを具体的に知らせると何をしたらいいのか分からずボーッとしている子も片付けに取り組みやすくなりますよ。
イラストや文字で知らせる
耳で聞いた情報よりも、視覚に入ってくる情報の方が頭に入りやすい場合もあります。
声をかけても切り替えが難しい場合には、次の活動内容をイラストや写真で知らせると分かりやすいですね。
まとめ
「遊び足りない」、「次の活動が分からなくて心配」というように切り替えに時間がかかる理由はそれぞれ異なります。
一日の活動が決まっているので時間に追われて焦ってしまいがちですが、子どもたちが何を求めているのかを考えて次の活動が楽しみと思えるような関わり方を考えていけるといいですね。