社会福祉法人と学校法人ってなにが違うの?
幼稚園や保育園などの求人を探していると、「社会福祉法人 〇〇保育園」「学校法人 〇〇幼稚園」などの施設名をよく見かけますよね。
この社会福祉法人と学校法人とは、園の運営母体のことを指し、それぞれ違いがあります。
今回は社会福祉法人と学校法人の違いや、働く際のメリットを簡単にお教えしていきます。
保育に関する園の運営母体は?
幼稚園や保育園などの運営母体は、様々なものがあります。
・公立の運営母体は「国、自治体」
まず、保育園には公立と私立があります。
その中で、公立保育園は都道府県や市区町村といった「公」の機関を母体としています。
・私立の運営母体は「社会福祉法人」「学校法人」「株式会社」など
私立の保育園や幼稚園などは「社会福祉法人」「学校法人」「NPO法人」「株式会社」などが母体です。
2000年に規制緩和された影響で、以前までは社会福祉法人が主体だった保育園の運営母体が変わっていきました。
運営母体によって、園の雰囲気や業務内容などに違いがあるため、自分に合った園を見極めることが大切です。
社会福祉法人と学校法人の違い
今回は「社会福祉法人」と「学校法人」にスポットを当て、それぞれの違いをお教えしていきます。
【目的】
・社会福祉法人:社会福祉事業を行う目的で設立された公益法人
・学校法人:私立学校法の規定で私立学校設立、運営を目的とした公益法人
保育に関しては、学校法人の方が「教育色」が強いと言えます。
就学に向けた学習に力を入れている園が多い印象です。
【管轄】
・社会福祉法人:厚生労働省
・学校法人:文部科学省
社会福祉法人は厚生労働省の管轄で、保育業界では主に保育園を運営しています。
学校法人は文部科学省の管轄で、保育業界では主に幼稚園を運営しています。
両者共に、近年では「こども園」に変える園も増えてきているのが現状です。
保育園と幼稚園、働く際のそれぞれのメリットは?
上記で、社会福祉法人は主に保育園を運営し、学校法人は主に幼稚園を運営していることが分かりましたね。
では、保育園と幼稚園の違いはなんでしょう?
・保育園
両親の共働きなどにより保育に欠ける子どもたちを預かるのが保育園です。
対象年齢も0〜5歳児まで受け入れており、7時頃〜19時以上に開園しているところがほとんどです。
そのため保育士の勤務もシフト制となり子どもと過ごす時間も長くなるでしょう。
子どもの保育が中心となりますので事務作業の時間を確保する事は難しいですが、0歳から入園していた子が5歳児になり卒園していくまでを見守ることができるので、保護者と一緒に子どもたちの成長を見守っていきたい方にとってはオススメな働き方ではないでしょうか。
また、保育園は基本的には複数担任制であり、先輩保育士の保育のやりかたを近くで見ることができるのも魅力の一つです。
保育士としての知識や経験を生かして保護者の育児相談にのることも保育士の大切な役割です。
保護者に寄り添いサポートしていく中で信頼関係を築いていくことでさらなるやりがいを感じることができるでしょう。
■保育園はこんな方にオススメ!
・0~5歳まで幅広い年齢の保育に携わりたい
・複数担任制の中で先輩保育士の保育のやり方を見て参考にしたい
・幼稚園
幼稚園は満3歳以上の子どもたちを対象としており、就学前の幼児への教育を目的としています。
そのため、遊びや生活のなかで集団生活に必要なルールを伝えたり、年齢に合ったカリキュラムを作ったりして子どもたちの発達や成長を見守っています。
幼稚園は基本的には14時から15時には降園となり、その後は預かり保育となります。
預かりの時間は園児も少なくなることから、預かり担当保育者に引き継ぎ、担任保育士は保育準備や事務作業を行う場合もあるため時間も確保しやすいです。
翌日の準備や製作物など持ち帰りの仕事を抱えることもあるかもしれませんが、春休みや夏休み等の長期休みの間は持ち回り制となることが多いのでその期間は休暇が取りやすくなるでしょう。
■幼稚園はこんな方にオススメ!
・それぞれの園の特色を知り、子どもの教育に関わりたい
・子どもの長期休み中にまとまった休みが欲しい
まとめ
社会福祉法人と学校法人の違いについてお話ししてきました。
それぞれ運営母体が違うことで、園の雰囲気や保育内容にも違いがあります。
自分の保育観を改めて見つめ直し、どのような運営母体の園が合っているのか参考にしてみてくださいね。