伝えることの難しさを実感
「いずみ保育園しか選択肢にないくらい、惹かれていました」と話すK先生は、実習で同園を訪れた際、気軽に声を掛けてくれた職員さんたちの温かい雰囲気がとても魅力的に感じたという。「制作の時間に、子どもたちの前でクレヨンの使い方を説明する場面がありました。その時の私は言葉だけで伝えたのですが、振り返りの時間に、『実際に色を塗って見せたほうが、子どもたちも目で見られるからわかりやすいよ』と先輩からアドバイスをいただきました。確かにそうだなと腑に落ちたので、今でも何かを説明をする時は、わかりやすく伝えられるように、実際に自分もやってみることを心掛けています」実習での経験が、今にも繋がっているという。

子どもの〝好き〟を保育に
同園では、普段の保育だけでなく、行事でも子どもの意見を大切にしている。「昨年担当した子どもたちの間で〝三匹ヤギのがらがらどん〟が流行っていました。普段からごっこ遊びをしている姿もあったので、それを運動会や発表会のテーマにも繋げていきました。子どもたちが好きなこと、興味があることを行事に取り入れることで、楽しんでスムーズに練習ができていたと思います。そんな意見もあるんだ！と子どもたちから気づかされることも日常茶飯事です」これをやらなければいけないという決められたカリキュラムがないからこそ、子どもたちの声に耳を傾け、柔軟な保育ができているという。子どもたち一人ひとりと向き合い、居心地の良い環境で働きたいという学生にはぴったりの園である。

社会福祉法人行橋むつみ会
取材園：いずみ保育園

行橋市内で、大人も子どもものびのびと過ごせる保育園と認定こども園を運営。外部講師による園内研修（わらべ唄・保育力向上研修）や、年に一度の職員研修旅行などを行い、職員同士の交流を深め、一人ひとりがいきいきと働ける環境をつくっている。