適切な声かけってどんな声かけ?
保育の現場において、子どもたちとのコミュニケーションは非常に重要です。
適切な声かけは、子どもの成長や発達を促し自尊心を育むだけでなく、保育士と子どもの信頼関係を築く上でも欠かせません。
では、適切な声かけとはどのようなものでしょうか。
今回は声かけをする際に意識する点を紹介したいと思います。
どんな声かけ?
◎ポジティブな言葉を意識する
声かけは、子どもの行動や努力を認め、励ます言葉を使うことが大切です。
「できない」「だめ」といった否定的な言葉ではなく、「よくがんばったね」「上手にできたね!」「たくさん練習したから逆上がりできるようになったね」「きれいな色を使って描けたね」ねどといった肯定的な言葉を使うことで、子どもの自信や意欲を高めることができます。
◎具体的な言葉で伝える
漠然とした言葉ではなく具体的に何が良かったのか、どうすればいいのかを伝えることが重要です。
「床のゴミに気づいて捨ててくれてありがとう!」「貸して欲しい時には貸してって言ってみようね」というように、子どもは自分の行動を具体的に褒めたり、何をすべきかを具体的に伝えたりすると、明確に把握できます。
◎子どもの気持ちに寄り添う
子どもの感情を受け止め、共感することが大切です。
「今日の給食はゼリーがあって嬉しいね」「転んで痛かったね、消毒しようね」などと、子どもの気持ちを言葉にして返すことで、自分の感情を理解し表現する力を育むことができます。
◎選択肢を与える
何から始めたらいいのかわからなくなった時に、選択肢がたくさんあると困ってしまう場合もあります。
そのようなときには、子どもに選択肢を与えることで、自己決定の機会を作り出すことも大切です。
例えば、「赤い色鉛筆と青い色鉛筆、どちらを使う?」「お片付けは、おもちゃから始める?それとも絵本から始める?」などと、選択肢を与えることで、子どもの主体性や自立心を育むことができます。
◎質問形式で考えを促す
答えを教えるのではなく、子ども自身に考えさせる質問をすることで、思考力や問題解決能力を育むことができます。
「どうしてそう思ったの?」「他にどんな方法があると思う?」と声をかけてみましょう。
◎非言語コミュニケーションの活用
言葉だけでなく表情、ジェスチャー、声のトーンなども重要なコミュニケーションツールです。
温かい表情や優しい声のトーンで接することで、子どもたちに安心感を与えることができます。
反対に、子どもたちに注意したいときには、低めのトーンで話すことをおススメします。
してはいけないことを伝える際に笑いながらでは、子どもたちに重要性が伝わりません。
必要以上に怖い表情をする必要はありませんが、真剣な顔でゆっくり話をしていきましょう。
◎「待つ」姿勢を大切に
子どもが自分で考え、行動する時間を与えることも重要です。
なかなか答えが出ない子に対して「どうしたの?」「○○なの?」と声をかけたくなりがちですが、すぐに答えや解決策を提示するのではなく、子どもの反応を待つ姿勢を持つことで、自主性や創造性を育むことができます。
まとめ
適切な声かけは子どもの成長と発達を支援し、豊かな人間関係を築く基礎となります。
肯定的で具体的な言葉を使い子どもの気持ちに寄り添いながら、個々の特性や発達段階に応じたコミュニケーションを心がけることが大切です。
また、声かけは一方的なものではなく子どもの反応を観察し、それに応じて柔軟に対応することも重要です。