3本の柱と5領域って何?幼児教育・保育の学生なら押さえておきたい重要ポイントとは
「3本の柱」と「5領域」。
幼稚園や保育園で働くことを目指して勉強しているみなさんなら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
中にはもう勉強したよ!という人もいますよね。
「まだ学んでない!」
「あ〜あった、あった。でも今パッと説明してって言われたら困っちゃうかも・・・」
そんな学生さんのために、今回は3本の柱と5領域について簡単に解説していきます!
→3本の柱や5領域と一緒によく出てくる「10の姿」については次の記事で解説しています!
3本の柱とは
幼児教育、保育の現場でいう3本の柱とは以下の3つのことです。
・知識及び技能の基礎 ・思考力、判断力、表現力等の基礎 ・学びに向かう力、人間性等 |
「あれ、ちょっと待って!それって『育みたい能力・資質』のことじゃないの?」 と思った方・・・大正解です! 幼稚園教育要領や保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領には、『3本の柱』という文言は出てきません。
変わりに出てくるのが『育みたい能力・資質』という言葉。
この『育みたい能力・資質』に記載されている3つのポイントを、それぞれの要領や指針の「ねらい」や「内容」で示されている活動を通して育んでいきます。
重要かつ、活動全体を支える元となる考え方を示しているため、"3本柱”と言われているんですね。
5領域とは
幼児教育や保育の世界で5領域といえば
・健康 ・人間関係 ・環境 ・言葉 ・表現 |
の5つのこと。
教育要領や保育指針、教育・保育要領の中の「ねらい及び内容」で示されているものです。
5つの領域は重なったり単独だったり全部が関係したりしながら、日々の生活の中で3つの柱である『知識及び技能の基礎・思考力、判断力、表現力等の基礎・学びに向かう力、人間性等』を育んでいきます。
それぞれ簡単に説明すると以下のような内容が含まれています。
健康:心身の健康を育み、自分で健康な生活ができる力を育む
人間関係:人と支え合って生きるために、自立心と人と関わる力を育む
環境:周りの環境に興味をもって生活していく力を育む
言葉:言葉を聞き、自分なりに表現できるようにする力を育む
表現:創造性を養い、自分なりに表現する力を育む
どれも生きていくうえで必要な“力を育む”内容ですね。
5領域は生きる力を培うために必要な要素を5つに分けたもの、と覚えておくとよさそうです。
「3本の柱」と「5領域」のポイント
「3本の柱」と「5領域」はどちらも幼児教育・保育において重要なもの。
内容だけでなくポイントもしっかり押さえておきましょう!
▼3本の柱が支え、5領域(+10の姿)は重なりながら広がっていくもの
3本の柱は、5領域や10の姿の基礎となるものです。
5領域も10の姿もそれぞれ3本の柱のどれかにつながっていくようになっています。
それぞれがバラバラに存在しているわけではなく、園生活ではひとつの活動に健康も人間関係も言葉も環境も表現も含まれていて、知識や技能の基礎を培いながら思考力や判断力を身につけていき人間性を育んでいます。
重なりながら広がっていき、子どもたちの生きる力を培っていくイメージで捉えるとわかりやすいかもしれませんね。
▼小学校以上の教育にもつながっている
3本の柱も5領域も小学校以上の教育にもつながっているのですが、特に3本の柱は文言もほぼ同じものが使われています。
小学校から高等学校までの学習指導要領に書かれている育みたい資質・能力は
・知識及び技能 ・思考力、判断力、表現力等 ・学びに向かう力、人間性等 |
の3つ。
幼児期に育みたいのは「基礎」。小学生以上では3つの力それぞれを身につけていきます。
幼児期だけでなく、その先まで見据えて子どもたちと接していくことが求められているのです。
まとめ
指導案を書くときには3本の柱や5領域、10の姿を意識して「ねらい」を考えるようにしてみましょう!
3本の柱や5領域それぞれの要素については個別の記事でご紹介しています。
ぜひそちらも読んで、参考にしてみてくださいね。
参考:
・平成29年告示「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」
・無藤 隆、汐見 稔幸 著/ 編集「イラストで読む! 幼稚園教育要領 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育・保育要領はやわかりBOOK」学陽書房